2012-01-01から1年間の記事一覧

音楽を聴く場所(2)

自分の使う言葉で書かれたものを読めることを幸福に思うのは、夏目漱石や須賀敦子とかの文章を読むとき。 次にこうした本、行間が多くあるテキストに会えたときにはありがたく思う。行間に多くのものがあるとき、書かれる過程で失われたもの、付け加えられた…

音楽を聴く場所(1)

ベルリンフィルの現コンサートホールはベルリンの壁に沿って建てられている。爆撃によって1944年に旧ホールが焼失し、戦後コンペによって設計者としてハンス・シャロウンが選ばれ1960年から63年にかけて建設された。ベルリンフィルは1882年創設。『音楽の<…

『胡散臭い知』(1)

「第二帝政のブルジョワ大衆社会」、『音楽の<現代>が始まったとき』(浅井香織著)の第1章第3節はこの言葉で始まる。引用を続けると「…は貪欲な視線の視線の交錯に支えられたものであったが、実はその視線は二重化という前代未聞の、だがこれ以降現代に至…

使わないと伝えられない(1)

スティーブ・ジョブスの短い伝記的なテレビ番組を観た。情報としては受動的に受け取りやすいのだが、その情報は希薄になってしまう、それがテレビらしいと言えばらしいのだが。昔子供のころ読んだSF小説(タイトルもストーリーも覚えていないが)で、未来社…

文化的「一方通行」

建築という言葉の翻訳についてなにか書いてなかったかと思い『翻訳と日本の近代』を探したが見つからず近所の図書館で借りてきた。今は在庫検索というシステムがあって探すのに便利。さて借りてきた新書だが詳細な記述はなく、それは本のはじめにあるように…